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自己洞察瞑想療法の講習会なども始めました! → マインドフルネス@つくば

観察者としての自分

 僕自身、SIMTを続けてマインドフルネスに親しんでいくうちに、自分の中に「観察者としての自分」というのができてきて、それが常に存在してきているような意識が生まれてきています。
 この「観察者としての自分」というのは、鬱や不安障害が改善していく上での、ひとつのキーとなる概念かなと僕自身感じたので、今回はそのことについて書いてみたいと思います。

 SIMTでは、基礎的な練習として呼吸に意識を向けます。あっちこっちに散らばっている自分の注意を、意思の力を使って呼吸に集める練習をします。しばらくすると、また注意が(意識が)どっかに行ってしまうので、また気がついて呼吸に意識を向けます。それを手始めとして、今度はその注意を視ているものに向けてみたり、身体の感覚に向けてみたりして、意識を自分の意思で動かす練習をするわけです。僕が習慣的に行っている瞑想時のボディスキャンというのもそれと同じことです。

 そうやって、自分の意識を「今、ここ」に生じていることに向ける練習をしていくと、自分の中で生じてくる様々な思考、感覚、感情の動きなどを、観察ができるようになってきます。
 「お腹のあたりが重たいな」とただ感じている自分だけではなくて、そう感じている自分を意識している自分がいることになります。
 その自分は自分を観察している「観察者としての自分」なわけです。
 最初は、それが瞬間的におこるのみで、重さを感じた自分を意識した自分(観察者としての自分)は、一瞬で消えてしまうのですが、繰り返し日常生活の中に、その観察・洞察が起こる瞬間を増やしていくと、自分の中で感情が動いたり、急な身体感覚が生じた瞬間に、無意識的にそれが起きたことを洞察し、名前付けをしたりしている自分が働くようになってきます。
 それは、まるで、自分の中にもう一人、小さな自分がいる感じです。
 例えば、僕の例で言うと、運動目的に買ったにもかかわらずあんまり乗っていない自転車があったのですが、妻に「あんまり自転車乗らないね」と言われた時に、勝手に非難されたとらえ、「そんなことないよ」と無意識に怒りながら返答をした瞬間に、「あ、今、お腹の中が熱くなった、これは怒ったときの感覚だ」と、軽く怒ってムカッとした感情の横で、それを観察している自分も瞬間的に反応していたんですね。その観察者の自分が反応するまで、自分でも怒っているということに気がついていなかったので、ちょっとびっくりしていた自分がいました。そして、「あ、これは僕自身が、自転車に乗ってないことに罪悪感を感じているんだな」と気がついたのです。
  もちろん、それに気がついたからといって、その時のイライラっとした気持ちがすぐになくなるわけではないのですが、自分の意識の中に怒りの感情や意識が8割あるとしたら、残り2割ぐらい、すごく冷静にそれを観察している意識がある感じです。
 この2割の部分を「自分を観察している小さな自分」と呼んだわけですね。

 そして、洞察を実践して、こういったことを繰り返していくと、自分の中に観察者としての自分が根付いてくるような、割合として観察者としての自分が少しずつ大きくなってくるような感じがあります。
 まだ、その時々によってその割合は様々で、感情がすごく大きく動いてそれに飲み込まれそうになているときは、すごくちっちゃな自分、少しの変化だったら、その感情を感じている自分は半分くらいで、もう半分は比較的冷静に観察している自分である、といった感じです。

  これが、なぜ、鬱や不安障害の改善に大切なことなのかというと、この経験を繰り返していくと、それまで、「これが自分自身の本体だ」と思っているものって、揺れ動く感情や、痛みや苦しさを感じている自分のように思っていたのですが、最近はどちらかというと、この「観察者の自分」というのが、本来の自分本体に近いのかなという気がしてきています。
 
 というのも、揺れ動く感情や痛み、苦しさというのは、時間とともにどんどん変化していきます。強くなったり、弱くなったり、消えてしまったり、またあらわれたり。でも、それを観察している自分というのは、割合の程度こそあれ、意識さえしてあげれば、常に存在している感じなんですね。なので、より身近に感じられ、より自分自身だなという感じがしてくるわけです。
 そうすると、言ってみれば、来ては去っていく感情や感覚と一緒の自分は、いわゆるかりそめの自分という感覚が生じてきます。
 そうなってくると、一時的に表れる不安とか、痛みとか、そういったものが、前ほど気にならなくなってくるんです。
 もちろん、不安や痛みやつらさを感じている時の気持ちはいいものじゃありません。強ければ飲み込まれそうになることもあります。でも、「いずれは去っていくものだ」という知っている「観察者の自分」がいることで、そういった不安やつらさを冷静に受け止められるようになってきます。
 そうやって不安やつらさを受け流せるようになってくると、日常生活として、そこまで困らなくなってくるんですね。自分の中に、不安やつらさはあっても、それにより自分が大きな影響を受けなくなってきます。そのころには、周りの人の方が、「ずいぶん良くなったね」なんて言ってくるようになります。自分としては、不安や症状はかわりなくあるので、良くなったという感覚はそれほどなかったりするので、不思議ですが。

 こういった理由で、自分の中に「観察者の自分」というのが出来てくるのは、病状の回復に結構大切なんじゃないかと思うわけです。
 でも、あくまでこの「観察者の自分」というのは、作ろうとしてできるものではなく、SIMTの洞察の実践、課題をやっていった結果、いつの間にか出来上がっていったという感じです。

 この感覚を何にたとえたらと思ったのですが、この感情や感覚の変化を「観察している自分」というのは、馬に乗っている自分という風に考えてもいいかもしれません。

 最初は、馬それ自体を自分自身だと思っていました。馬がいななき、怒り、暴れる時は、自分自身も馬になりきって怒りまくっています。ですが、洞察を初めていくと、どうやら、自分は馬にしがみついている騎手であることがわかってきます。でも、まだしがみついているのに精一杯です。でも、それでも馬を観察していくと、だんだん馬の特徴がわかってきます。どんな時に起こるのか、落ち着くのか、草が食べたいのか、それとも走りたいのか。さらに観察を続けて馬の特徴を理解すると、手綱をつけて馬をある程度コントロールすることが可能になっています。もちろん、馬自体には乗っているので、馬の意思を無視して走り続けたり、餌を食べさせずにいることはできません。でも、馬の特徴をよく知り、どんなタイミングで餌をやればいいのか、休みが必要なのか、わかるようになってきます。そうすると、馬を乗りこなすことができるようになり、馬にのってより遠くまで出かけることが可能になります。

 SIMTを続けて、「観察者としての自分」ができ、自分自身の感情や不安、症状と折り合いをつけていく過程はこんな感じです。

 これは、私自身がこれまでの学びの中で感じた経験であり、今の私の学びのレベルです。
 
 でも、どうやら大田先生の本を読んだり話を聞いたりすると、どうやらマインドフルネスには、さらに奥深い世界が広がっているようです。そのレベルでは、その「観察者の自分自身」もいなくなってしまうようなのですが、一体それが、どういうことのなのか、今の僕にはわかりません。
 でも、きっと、実践を続けていれば、そこにたどり着けるんじゃないかと信じています。
 むしろ、まだまだ自分のしらない世界が広がっていると思うと、わくわくしますねー。
 いや、マインドフルネスってまだまだずーっと奥深いんだろうなあ。

 さて、今日の内容も、まったくもって個人的な経験からの話でしたが、少しでも読んでいただいた皆さんに参考になる部分があれば幸いです。

 最近、更新の間隔が開いてしまっていますが、懲りずに続けていきたいと思うので、ぜひまたお立ち寄りください。

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参考にしています

初めまして!


過去分も拝読させていただいております。


お忙しい中だと思いますが、自分の心の中を他人に伝えることは難しいと思います。

でも読んでいてとても役に立つのでこれからも無理をしない範囲で続けて書いてくださいね!

Re: 参考にしています

ソラシックさん、コメントありがとうございます。おっしゃるとおり、マインドフルネスって、形で見えるものではないし、中々、自分の気づきを表現するのは難しいですが、それを考えることが、また自分にとって大変、知識の整理や気づきを深めることにつながっています。
 これからもマイペースで書いていこうと思うので、ぜひぜひまたあそびにきてください。
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プロフィール

Ko7

Author:Ko7

訪問ありがとうございます。
 

鬱になって苦しんでいたときにマインドフルネスと出会いました。
自分の経験とマインドフルネスを実践する中での気づきなどを徒然なるままに書いていこうと思います。
私にとって先達者の方々のブログが参考になったように、このブログが同様に苦しんでいる方々に少しでも助けになればと願っています。

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