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ネガティブな思考や連鎖がなくなるわけ(SIMTで止める思考とは③)

前回は、自分の思考やパターンを繰り返し観察していくことで、自分の中のパターンに気づき始め、さらには、そのパターンの中にわずかな違いがあることが見えてくるというお話をしました。

 この感覚が自然とでてくるようになるのには、経験上、かなりの実践の繰り返しを必要とするように思います。もちろん、一度パターン見えてきたと思っても、さらに続けていると、もう一段階深いレベルや、あるパターンとパターンの連鎖などにも気がついてきたりするし、違うと思っていたパターンが一つの価値評価基準からの表現の違いであることがわかったりと、気づき自体も深まっていくので、ここから先は終わりなき作業になっていくのですが、僕自身、実践を頑張って順調に進んだ方だと思いますが、それでもこういったことが見え始めてくるまでには1年くらいはかかっていたように思います。
 もちろん、ある日突然できるようになったわけではないので、その1年の間にも薄皮が剥がれていくように徐々に体調も改善を実感していましたし、かといって、上記のことができるようになり始めたからと言って、まったく症状やつらさがなくなったという訳でもありません。
 ただ、やはり身に付けることですし、繰り返しの中で発見できることなので、それ相応の時間が必要であることは知っておいた方が良いと思います。とにかくあせらずに、一つ一つの課題を丁寧にやっていくことだと思います。

 では、そうやって、自分の中のパターン、自分自身の特徴に気がついていくと、どうやって改善するのか、ネガティブな思考が連鎖しなくなっていくのか、症状が出にくくなっていくのかと言うことについて、僕なりの考えを書いてみようと思います。

 ここまでのことが身についたからと言って、出てきた思考を自分の力ですぐに止められるとか、症状を意思の力で押さえ込めるという訳ではないんですね。おそらく、それは、どんなにマインドフルネスを身に付けてもできることではないと思います。

 というよりは、症状やネガティブな思考や連鎖の特徴を知ることで、それ自体とつきあっていけるようになってくると共に、早めに気づけるようになって、どうにもならないほど大きくなってしまうのを防げるようになってくるといった方が正しいかもしれません。

 自分の中では、今でも疲れやすさとか、疲労の時の睡眠障害、体調の変化、やる気の低下というのはあるのですが、それにそれなりに対処できるようになってきて、自分の内でおさめられているので、周りの人からみると、ずいぶん良くなっているねと感じるようです。

 例えば、夏休みにいろいろ出かけたりすると、一週間後くらいに疲れがでて、体調が今ひとつになったり、気分が何となく落ち込み気味になったりするのですが、僕自身は、イベントの一週間後くらいにそういうものが出てくるというパターンをつかんでいるために、そこであまり慌てることがなくなりました。かといって、それをすぐに解消することもできないのですが、もうイベントは済んだことで、その結果として出てしまっていることなので、その時点で解消しようとしても、ペースを少し落として時間を稼ぐしか良くならないことも分かっている状態です。無理に解消しようとするいろいろな行為は、結果よくならずがっかりしたり、余計に疲れをもたらすことも分かっています。そういう時期は、あまり気分は良くなく、思考もネガティブに走りがちになりますが、そのことも分かっているので、思考に走りそうになったら、すぐ呼吸法を行ないそちらに意識をむけます。そうやって、必要なことは、頑張らずその日にできる範囲でこなしていき、数日過ごしていくと、徐々に体調や気分が回復してくるのが分かってきます。
 こんな感じです。
 でも、こうやって数ヶ月、やっていくと、特別にがんばろうとしなくても、徐々にですが以前より活動の幅が広がったり、疲れにくくなってきていることにも気づいてくるんですね。

 くりかえしになってしまいますが、
 症状自体を止めることはできません。気分が落ち気味になるのを変えることはできません。
 でも、その乗り切り方のコツをつかんでいることで、対処ができています。大きく騒ぐほど症状や不安を増大させるまで行かないので、自分の中で処理できています。その結果、周りから見ると、多少疲れているけど、最近はわりと落ち着いているなと見えるようになってくるようです。

 こう言ったとき、よく僕自身が自分にしてあげていることがあります。疲れがでたり、体調が少しおちて症状が出てくると、「まだよくならないのか」とか、「またネガティブなこと考えている」といった思考がどうしても走りがちになります。そのときに、「いいんだよー、イベントを乗り切ったんだから今疲れがでるのはしょうがないんだよ-、乗り切っただけでもすごいよー」と一瞬自分に対してつぶやいてあげて、ネガティブな思考が走ったときも、「こんなこと考えたらダメだ!」ではなく、「いいんだよー、今は疲れてるからネガティブに行きやすいんだよー、そのネガティブな思考に今、気づいただけでも合格点だよー」と自分自身に呼びかけて、呼吸だったり今ここでしていることに意識を戻します。

 どうしても鬱でいるときには、自己評価が下がり、さらに自分への評価も厳しくなります。さらには、こういう病気になりやすい人は、基本的に自己への採点が厳しい傾向があると思います。そうすると、自分の中で起こった思考や症状、感情などに対しても、厳しく評価しがちだと思います。「マインドフルネスをやっているのに、良くならないなんてダメだ」とか「こんな思考をしてちゃ、上達しないダメだ」とか。
 でも、マインドフルネスで大切なのは、「評価せず、そのままにして観察する」ことです。
 だから、この「いいんだよー、それが起こっても、今、それに気づければそれで合格点だよー」という作戦は結構いいように思います。

 なぜなら、「こんな思考しちゃダメだ」とか評価する思考の後には、かならず落ち込みや失望といった感情が続き、そうなると症状も悪化するからです。そんな時、「いいんだよー、今は、評価しちゃってもいいんだよー、評価した自分に気がつけたら合格点」とつぶやくと、評価の後につづく落ち込みや症状の悪化が少し緩和されるように思います。

 そうやって、どんな事が起こっても、自分の中の出来事を肯定し、観察していくことが大切です。

  なんかですね、こういったように、自分の特徴を観察していくと、自然に起こってしまい自分の力ではどうにもできない部分や展開と、自分次第で少し変化が可能な部分や状況が、よりよく見えてくるというか分かってくるんですね。

 そして、その段階まで来ると、自然と、その後の状況が悪くならない方向へ自然と意識や身体が対応していくような気がします。

 実際、自分の経験では、そうやって自分の特徴を観察していくと、自分の力で変更できる事って、思っている以上に少ない気がつきました。以前は、誰がやっても自分の力ではどうにもならないことを何とかしようと必死になっていた気がします。出ている症状を押さえ込むだとか、落ち込んでいる気分を何とか持ち上げようとするとか、症状や疲れで動けない日に何とか動こうとするとか。そういうことを必死でやってさらにエネルギーを消耗していました。 
 それらは、待っていれば自然に回復してくるものですが、自分の力で回復させることはできないんですよね。それに気がつけたとき、そこから症状や病気とのつきあい方が少しずつ見えて気がします。

 でも、自分の力で回復できないといっても、自分でできることもあるんです。一つは、無理なことを無理にやろうとしてエネルギーを消耗したりせず、回復を待ってあげること。この無駄なことをやらないというのも自分にできる選択です。
 そうやって、自分の特徴を見ていくと、多くは自然に起こってしまい自力で変化させることができないものですが、その中の一部には自分が変化させることが可能な要素もあります。
 出かけるのか出かけないのかとか、薬を飲むのか飲まないのかとか、呼吸法をするとかしないとか、テレビやパソコンを見ないでおくとか。

 観察を続けて行くと、自分の体調の変化や状態の変化、思考の連鎖にも敏感になってきます。
 そうすると、早い段階で変化に気がつけるようになってきます。
 「あー、少し疲れがでてきたな」とか、「この考え方でいくと、また落ち込むな」とか。
 そうすると、症状として自分が自覚でき苦しむよりかなり手前の段階で、自分の変化に気がつけます。
 その時点では、「身体が疲れているから、今日はこのくらいにしておこう」とか、調整ができるようになってきます。
 さらには、しっかりと自分を観察していると、改めて調整をしよう!と思わなくても、「今はこういう状態だから、こうする」というように、「今、ここ」の自分に合わせた生活ができるようになってくるように思います。
 そうすると、無理をしなくなってくるし、早い段階で症状や体調の変化の芽を摘めるようになってくるので、大きな体調の変化を経験する頻度が減ってきます。
 思考にしても、自分を傷つける程の自己否定まで行く前に、「このまま進んだら悪い考え方が悪循環に入るな」ということが早めにわかるので、その時点で別のことに意識をむけられます。
 早い時点でわかるほど、対処もしやすいのです。
 
 例えば、怒り心頭したまらなくなってしまったら、その怒りが収まるのには相当時間がかかってしまいます。
 もしかしたら、人や物に当たらないと気が済まないかもしれません。

 でも、ちょっと「イラッ」とした時点で、その場から離れるという選択肢がとれたら、わりと短い時間で忘れて他のことに意識がいってしまうと思います。その場から離れるというのは、一つの例にすぎませんが、早い段階で対処ができると、意識を他の事にむけることで、思考の流れをある程度コントロールすることが可能になります。
 でも、もう限界まで自己否定の思考がまわってしまい、感情の波や症状の波が大きく乱れるところまで来てしまうと、意思の力だけでそれを変えるのは至難の業です。
 そうなったら、それ以上悪化させないように、呼吸に意識を無理矢理むけ続けて乗り切るしかありません。

 このように、マインドフルネスの実践が進み、観察の眼が鋭くなってくると、おそらくかなり早い段階で様々な変化対処ができているんだと思います。
 思いますというのも、おそらく自分でもはっきりとわからないくらい早い段階で、落ち込みやネガティブ思考につながるよりかなり早い段階で、手をうてているので、自分にはそれを止めているという意識はないんですね。自分としては、「今、ここ」の自分を丁寧に観察していくよう努め、そのときの自分自身に対応していってあげているというだけなんです。
 ただ、おそらくその結果、その後につながるであろう落ち込みや症状の悪化、ネガティブ思考が止められているんじゃないかと推測しています。

  これが、マインドフルネスをやっていると、治そうとしていないのに治っていく。気がついたら改善してきているとか、良くしようとしていないんだけど良くなってくるよということの、理由だと僕は思います。

 このあたりの感覚がすごく伝えるのが難しくて、ブログを開始していらい、あの手この手で説明を試みています。
 マインドフルネスで改善した方であれば、わかっていただける感覚かもしれません。
 僕自身もそうだったですが、自分で経験するまでは、その感覚はなかなか理解しがたいものでした。
  気づこうとするわけではなく、気づきがやってくるとか、変化させようとするわけではないのですが、変化してしまうとか。
 なかなか言葉にするのは難しいです。
 でも、実践を丁寧に続けていけば、かならずできるようになる、わかってくる感覚かと僕は思います。

 わかりやすいかどうかわかりませんが、たとえをあげるなら、
 座っている状態で、全身の不必要な力を抜こうとしたとき、力を抜こうと努力すればするほど、それは緊張に結びつくかと思います。力を抜くことを目指そうとすればするほど、力の抜いている状態が分からなくなってきて、力を抜いているという状態を無理に作ろうとするような感じになってきてしまいます。

 でも、どこに力が残っているか、全身を観察モードでただ眺めていきます。「このあたりが緊張しているな-、このあたりもまだ抜けてないかー」と、全身を丁寧にただ観察をしていき、それをゆっくり続けていくと、いつの間にか、自然と脱力状態になっていかないでしょうか?
 
 マインドフルネスもそのような感じに近い気がします。
 変化をさせよう、治そう、気づこう、とがんばりすぎてしまうと、それらに意識がいきすぎて、それにより余計な緊張を生み出したり、余計な思考に嵌っていったり。
 以前書いたマインドフルネス認知療法の本では、そのような傾向を「することモード」と名付けています。
 今ある状態とは違う別の状態になろう、そのような状態を作りだそうとしてしまうモードです。
 
 マインドフルネスで大切なのは、「あることモード」です。
 ただ「そこにある」状態を観察し、それが自分の好き嫌いにかかわらず、ただ「そこにある自分」の状態を観察し、それを許してあげる。そのような体勢でいることです。

 「することモード」が能動的なのに対し、「あることモード」は受容的というか、センサーを働かせいる感じといえると思います。

 さて、SIMTで止める思考とはというところからスタートして、SIMTが進んでいったときにどのように変化が起こるのか、悪い思考を止められるのかということの自分なりの解釈を書いて見ました。

 中々言葉で表すのは難しいですが、この「することモード」から「あることモード」の違いに気がつくことが、最初はすごく大変な事だし、これを自分なりに掴めると、マインドフルネスもグッと進むような気がします。

 今後も、いろんな角度からこのことは説明してきたいと思います。

 長文におつきあいいただきありがとうございました。

 またよろしくお願い致します。


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お疲れ様です。
昨日から調子を崩してしまい(身体症状、精神症状ともに)、なにかヒントはないかとこの記事を拝見したところ、ハッとしました!「そういえば先週イベントが盛りだくさんでその疲れが出ているのかもしれない。今の自分は疲れが溜まるとこんな風に症状がでるのかもなぁ」という気付きです。
「最近良い調子だったのにおかしいなぁ」と落ち込んでいましたが、原因が見えてくると、落ち込みが軽減?されたように思います。

Re: タイトルなし

Kenjiさん、コメントありがとうございます。すばらしい気づきだと思います。気づかないうちは、「なんでこんなに調子がわるいんだろう」とか、「もっと調子のいいはずだ」、「こうしたら良くなるんじゃないか」とか、「もっと良い自分」というのを頭の中で設定して、そこになんとか近づかなきゃという思考が生まれ、ストレスになります。もちろん気づきがあったことで、調子の悪さがすぐに改善するわけではないのですが、気づいたことで、それ以上悪化させるような思考を止めることができるようになります。そうすると、気分的には少し楽になったりできます。そういう実感を積み重ねていくと、徐々に、イベント後の体調の悪化に振り回されることがなくなってくるんですね。「もっと良い状態」というのを追いかけるのではなく、「今ある自分」というのを観察していくモードになれるんです。
 とはいっても、体調がつらいときは大変ですよね。呼吸法と瞑想で身体と心を休めつつ、なんとか乗り切ってください。時間がたてば、かならず浮かんできますから大丈夫だと思います。すごく良い気づきが積み重なっていると思いますので、どうか焦らず実践をお続けになってください。僕も焦らず続けていこうと思います。

いつもご丁寧な返信ありがとうございます。本当に助かります。
お忙しいでしょうから、気が向いた時に返信頂ければ嬉しいです。

3日経ってようやく浮いてきました(笑)こういう経験を通して「自分の身体っていまこんな状態なんだなぁ」とようやくちゃんと理解できるんですね。私もマインドフルネスを続けて1年を過ぎましたが、まだまだこれからというのを再確認できました。
私は常日頃「もっと元気になりたい。薬も辞めて完治したい。あきさんのブログのようになりたい」という思いが頭にあり(もちろんそれがモチベーションになるのですが)、それと現在の状態とのギャップにストレスを感じることが多い気がします。なかなか「直すぞ!」という気持ちと「そうなんだなー」という受容のバランスが難しいです。

Re: タイトルなし

Kenjiさん、いつもコメントありがとうございます。

> 3日経ってようやく浮いてきました(笑)こういう経験を通して「自分の身体っていまこんな状態なんだなぁ」とようやくちゃん>と理解できるんですね。私もマインドフルネスを続けて1年を過ぎましたが、まだまだこれからというのを再確認できました。
 
 すばらしい気づきだと思います。調子を崩さないことが大切なのではなく、そういう気付きを積み重ねていくことが大切で、それが改善への一番の近道なのだと僕も信じています。
 最近になり改めて、セッション10までの1年は始まりにすぎなくて、本当に大切なのはセッションで学んだことを継続して自分のものとし、自分の気付きを深めていくことなのだと感じています。

 僕自身も今でも無意識に持ってしまう理想の自分と現実とのギャップにストレスを感じることもありますが、大切なのは、理想を持つ自分と現状をみれる自分の両者の間で揺れ動く自分がいるのを許してあげられることなのかなと感じています。どちらか一方ではなくて、あくまでその間で絶えず揺れ動いている自分、そんな自分を穏やかに眺めていられる感覚でしょうか。それがマインドフルネスにいることなのかなと最近は考えています。

 お互い長い道のりですが、自分をしるということが世界につながっていることだと思うので、共に頑張っていきましょう。
 またお気づきのことがあったらコメントして下さい。
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Author:Ko7

訪問ありがとうございます。
 

鬱になって苦しんでいたときにマインドフルネスと出会いました。
自分の経験とマインドフルネスを実践する中での気づきなどを徒然なるままに書いていこうと思います。
私にとって先達者の方々のブログが参考になったように、このブログが同様に苦しんでいる方々に少しでも助けになればと願っています。

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