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SIMTで止める思考とは②


さてさて、前回の続きです。
 徐々に、自分の中で生じることに「名付け」ができるようになってくると、なんと様々な事が起こっているのかと驚きを感じる時があるのではないでしょうか。
 自分が考えているという自覚を持つまでに、ほんのわずかな音や見た物、ちょっとよぎった思考などをきっかけに、次から次へと気がつかぬうちに連想がつながっている事に気がつくことがあるのではないかと思います。
 それは、まるで夜見る夢の中でなんの脈絡もないストーリーが展開していくように、我々が起きている間も、そのような思考や感覚の連鎖が連綿と我々の無意識で続いているんです。

 そこで、どのような思考を止めるかということですが、確かに我々の生活の中では、思考をしなければ生活をこなしていけません。
 「今日の晩ご飯は何にしようか」 「次の営業先は。。。」など、考えなくちゃいけないことがたくさんです。
 私なりに、経験の中で考えてみたのですが、少なくともマインドフルネスの練習をしているときは、「今、ここ」でやっている事と直接関係のないことに思考が流れてしまっていったら、それは早く気がついて、「名付け」をして、また「今、ここ」に意識を戻した方がいいです。
 この、「今、ここで取り組んでいることと別のこと」というのがポイントです。

 たとえば、晩ご飯を作っている時、
 「次に卵を割っておいて、醤油を入れて、その前にボウルを用意しておかなくちゃ」と考えるのは、
 今、料理をしているのなら、それは直接関係のあることですから、その思考はまったく問題ありません。むしろしっかり思考能力を駆使した方がいいでしょう。

 でも、「あ、卵がもう少しでなくなるな」まではいいとして、
 「そういえば、最近卵が値上げしたってニュースで言ってたな」とか、「値上げと言えば、うちももう少し節約しなくちゃな」とか
 「野菜もこの前の大雨で値段が高止まりしているって言ってたな」とかになってしまったら、
 これはもう、目の前の料理とは関係のない思考、連鎖に入ってしまった思考なので、早めに思考していることに気がつき
 「思考」と名付け、また目の前の料理に意識を戻した方が練習になるでしょう。
 
 いわゆる、セッションの最初の方でならう、活動時の傾注観察法は、まさにこのやり方でやっているということです。

 もし、明日の旅行の計画を立てようという時に、
 「まず、~駅から、~線にのって、」と考えるのは、「今、ここ」にないですが、「今、ここで、旅行についての計画を立てよう」としているのだから、進めても良い思考です。
 でも、「そういえば、~駅の近くにマンションが新しくたってたなあ、いくらぐらいするんだろう」となってたら、それは思考の連鎖に入っているので、気づいてあげるべき思考だと思います。

 もちろん「名付け」をした時点で、無理にその思考を止める必要はありません。考えたいなら考えればいいんです。でも、マインドフルネスの訓練をしている時なら、そこで、一度、「今、ここ」でやっていたことに意識を戻すと良いと思います。そこで気づけて、意識を戻すことをできるということが大切です。これで、気づきの感度を磨く訓練と注意を自分の意思で動かす訓練ができていることになります。

 そうやってやっていくと、どこからが、いわゆる「思考の連鎖」に入っていくかがわかるようになってきます。
 そして、より繊細に、自分の中の「思考」や「感情」の連鎖に気がつくようになってきます。
 時には、思いも寄らなかった連鎖に気がつくことがあるかもしれません。

  まずは、静的洞察、座ってやる呼吸法で、この「名付け」と気づきを練習し、さらに生活の中で、傾注観察法や感情が動いたときの一次、二次、三次の区別などをやっていく過程で、訓練と実践を重ねていくと、様々な気づきが得られてくると思います。

 私の場合、この気づきの訓練をやっていった時、最初に気がついてきたのは、自分の中で繰り返されているパターンがあるなと言うことだったように思います。
 様々な場面で気づきを繰り返して行くうちに、場面は違うけど、自分が調子を崩す時にはどうやらパターンがあるなとか、症状が強くなるときには、起こりやすいパターンがいくつかあるなーという、それぞれの事象の中に隠れている共通点が見えてきたように思います。
 具体的には、様々な事をきっかけとして、気持ちが落ち込んでいたけど、見た刺激から、気分が落ち込むまでには、どうやら一瞬、同じような思考が入る気がすると、気づいてきました。仕事をしている人のテレビを見て落ち込み、新聞を読んで落ち込み、友人の話を聞いて落ち込み。
 この時点では、どんな思考かは明確になっていませんでしたが、なんか同じようなパターンで思考をして、その結果、同じような落ち込み方をしてるんじゃないかなーということがうっすらと見えてきたんです。

 ここで、「自分にはこういうパターンがある!」と気がつくのは大事なのですが、「このパターンしかない!」と決めつけてしまうのには注意が必要です。
 なぜなら、「このパターンしかない!」と決めつけた瞬間に、観察するのをやめてしまい、起こったことを「パターンに入るのかそうではないのか」の二者択一の判断しかしなくなってしまうからです。そこで気づきや観察が止まってしまいます。

 あくまで、「どうも、こういうパターンを繰り返している気がする」というところで止めておき、さらに注意深く、生じてくることを観察していくことが大切です。

 なぜなら、同じパターンが見えてきて、いつも同じだとおもって観察していると、次には、今度は、同じだと思っていたパターンの中に、微妙に違いが在るときに気がつくようになるからです。

 まずは、同じような共通点が見えてくるのですが、それを続けて行くと、その共通点の中に、微妙な違いが見つかってくるんです。

 例えば、いつも、仕事に関連したことを見ると、落ち込んでいたが、どうも、仕事に関連したことでも、仕事の人間関係に関係したことの方が、落ち込みの度合いが大きい気がするとか。
 この間、Aさんと仕事について話した時は、あまり落ち込みがなかったなあ。 などなど。

 そうして、注意深く観察していくと、より良く、自分の特徴が見えてきます。
 自分が落ち込むきっかけになるのは、どんなことなのか、そのときにどんな思考が働いているのかとか、さらにそんな思考を繰り返してしまっているのは、自分がどんな判断基準をもっているかとか。
 ほんの些細な生活の中での変化や自分の中で生じる事を見ていくと、より、自分自身や自分の病気の特徴が見えてくるのです。
 
 この特徴が見えてくることが本当に大切なのです。

  これくらいの頃になってくると、「名付け」はしていますが、「名付け」そのものというよりも、同じ「名付け」をしていても、内容は様々であることが観察されてきます。それ自体が、観察できるようになると、生じてくる現象そのものを、そのままとして、扱えることが徐々になってくるように思います。この段階になれば、「名付け」そのものにはあまりこだわる必要がないと思いますが、この段階に到達するには、かならず最初の段階では、「名付け」の訓練とその実践が必要なように私は思います。
 
 また、観察を続けていくと、様々なパターンや、自分の特徴が見えてくると書きましたが、この「気づき」は、ただただ、評価や判断をせずに、観察や気づきを続けていくと、あるとき、フッと浮かび上がってくるような、「そういえば、こんな感じかも」と、気づきような、そんな感じで見えてくるものです。
 決して、ある事象ひとつを捕まえて、それについて「こんなパターンがあるんじゃなか」「いやいや、こう考えてしまうのは、きっとこういうことに原因があるんだ」とか、考えた末に見つけ出すような、気づきではありません。
 なぜなら、その見つけ出そうと頑張っている時には、すでに思考の罠、連鎖の罠に捕らわれてしまっているからです。
 ひどいときには、「自分はこうであるはずだ!」と、あらたな概念や状態を自分の意識の中で作り出し、現実に起こってくることを、「こうであるはずだ」と、自分が作り出したものに当てはめるようになってしまいます。
 これでは、「今、ここ」の現実を重視し、それを無評価で観察するマインドフルネスとは反対のものになってしまいます。
 
 大切な気づきとは、「今、ここ」で起こっていることに、ただ名前をつけ、そしてそれをすぐ捨て、常に「今、ここ」を、観察していくことで、繰り返し、自分の中にその経験が蓄積されていくことで、あるとき、その中からフッと見えてくるものなのです。

 それは、同じような写真をいくつも見ていく中で、その経験をずっと続けていると、ちょっとした違いがあったときに、自然にそこにフッと眼がいってしまうような、そんな感じなんだと思います。
 または、様々な写真を見ているうちに、フッと共通点に気づき、「この写真を撮っている人は、こういう景色がすきなんだなー」と気づいたり。
 
 さてさて、「名付け」から、思考の止め方の話が、だいぶ違う方向へそれてきた感じがします。
 まず、基本的な段階での、止めるべき思考は、「今、ここ」と直接関係ない思考ということでいいと思います。

  ここから、もう少し話をすすめていくと、なぜ、ネガティブな思考が止められるのか、実際には、止められるというか、そのネガティブな連鎖自体が生じなくなってくるといった感じなのですが、次回はそのあたりの事を書こうと思います。

 いつも書いていることなのですが、これらは、あくまで、僕自身が自分の経験の試行錯誤の中で、こういうものなんじゃないかなーというのをまとめて見ている作業です。
 なので、的外れのものがあるかと思いますし、そうは思わないという人がいても当然と思います。
 その程度のつもりで、気軽にお読み下さい。

  気軽にというには、長文にいつもなってしまいますが。。

 ではでは、今日はこの辺で。



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お久し振りです。
今回もホント分かりやすく(SIMT経験者にとっては特に)、いつも参考にさせてもらっています。
私はここ最近また一段階良くなってきたので、午前中のバイトを始めることにしました。「この歳でバイトか…職場の雰囲気はどうだろう…」と思考、感情がつい沸きますが、コツコツ進んで行こうと思います。

ところでブログ主さんはお勤めされているなか「体調が悪いなー、ストレスがかかっているなー」という時、どのように対処されていますか?呼吸法はもちろんですが、オフの過ごし方や他に気をつけている点があれば教えて頂けるとありがたいです。

Re: タイトルなし

Kenjiさん、コメントありがとうございます。体調の方、良くなってきていらっしゃるようなお話が聞けてとても嬉しいです。バイトを始めるとのことですが、僕もそうですが、仕事を始めたり増やしたりしたときは、かならずストレスがかかります。それはもうしょうがないことです。その結果、体調も変化します。これも鬱にかかわらずだれでも状況が変化すればある程度体調が変化するのは当然のことです。なので、そんな時も自分の体調の変化を観察しつつ、「こんなになったらやばい」とか「やっぱり自分には仕事は無理かも」とか思考に走りそうなときは、「いいんだよー、今はそれでもいいんだよー、誰でもそうだよー」と肯定してあげて、呼吸法を続けます。それで何とか続けていくと、同じ体調の変化の中にも違いがあることがわかってきて、「今日はいつもに比べて楽だな」とか「今日はいろいろアクシデントもあったからそうすると気持ちも変化しやすいな」とか、見えてくるものがかならずあるはずです。ぜひ焦らずにやってみてください。
 日々の自分の体調を観察していけば、身体がもう少し休みたいと言っているなとか、少し薬を使ってあげた方が気分的に楽だなとか、体調に対する対応の仕方もみえてきて、自分がやってみたことでの結果を観察していくと、さらに自分の体調管理の仕方がわかってきます。少しずつですが。。。でも、その少しずつがすごく大切なんだと思います。
 
 体調が悪くなった時の対策としては、僕は、まず第一は呼吸法です。特に呼気をゆっくり目にする呼吸法をしばらくの間続けるのは第一にやっています。さらに最近多用するものとしては、ボディスキャンです。身体にじっくり意識を向けてあげることで、今の身体の状態をよく把握することができますし、呼吸法を続けながらボディスキャンをやると、思考を抑制するのにも役立ちます。また普段からボディスキャンをやりなれておくと、自分の身体の変化に対する感度も高くなって、様々な兆候を早めに察知できるようになってきている気がします。
 ただ、あんまり身体症状が出ていて体調が悪い時にやると、その症状がさらに強く感じられて辛いのでそういう時は、呼吸の方のみに無理やり意識を向けていってます。

 あとは、僕の場合、疲れがでてくると眠りが浅くなり中途覚醒が増えるとか、胃のあたりが重くなってくるとか徴候があるので、そんな時は、眠剤を半分増やしてゆっくり寝るようにするとか、食事や間食の量を控えるとか、対策をとってます。
 そのあたりは、個人、個人、自分の特徴があると思うので、時間をかけて掴んでいかれるといいと思います。

 あらゆることを、あくまで「ただの変化」と中立でとらえるようにして、必要な対処、時には薬を増やしたり少し頼ったり、仕事を減らしたり休んだりということも含め、とっていって、地道に継続していくことが重要かなと考えています。でも、もともと頑張り傾向のある鬱の人にとっては、この薬に頼ったり、仕事を減らしたりとはなかなか難しいんですけどね。

 うまく伝えられずにすみません。Kenjiさんの新たな挑戦が、また新たな発見・気づきをもたらしてくれることを信じてお祈りしています。またぜひ遊びにきてください。

ご丁寧に返信して頂いて、ありがとうございます!参考にさせて貰います。
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訪問ありがとうございます。
 

鬱になって苦しんでいたときにマインドフルネスと出会いました。
自分の経験とマインドフルネスを実践する中での気づきなどを徒然なるままに書いていこうと思います。
私にとって先達者の方々のブログが参考になったように、このブログが同様に苦しんでいる方々に少しでも助けになればと願っています。

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