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ネガティブ思考と鬱との関係

  今日は、ネガティブな思考と鬱病の関係を書いてみることで、 そこで、マインドフルネスの担う役割を明らかにしてみたいと思います。

 鬱の人の特徴として、ネガティブ思考、マイナス思考があると思います。
 特徴というか、鬱の人といえば、気分が落ち込んでいて、マイナス思考に陥っていてと、誰もが考えると思います。

 確かに、鬱の時には、気分が沈み、考え方はネガティブになります。
 悪い考えが頭を巡ります。自己否定の思考の連続です。
 このネガティブな思考を、もっとポジティブに変えられたら鬱も治るんじゃないか、誰もが思います。
 でも、どうしたらポジティブになれるのか、いくら考えてもまったくわかりません。そうやって、ポジティブになれない自分にさらに気分は落ち込んでいきます。
 僕もそのドツボに嵌っていました。

 しかし、どうやら、ネガティブな思考やマイナス思考、それ自体が鬱の原因ではないようです。

 ここで、おもしろい研究結果があります。

 欝状態に陥ってしまっている人においては、このネガティブ思考やマイナス思考の割合が多くなっているのは、研究でも確認にされているようです。しかし、欝状態が改善し、普通に生活を送れるくらいに回復した状態な人と鬱でない一般の人を比べると、このネガティブ思考などの頻度は大きな違いはないようです。

 これは、改善したから変わりなのは当たり前じゃないかと思われるかもしれませんが、鬱病は、再発をしやすいということが、大きな病気の特徴でもあります。しかし、再発する人も、一般の人も、いわゆる普通の状態では、ネガティブ思考の割合においては、大きな違いがないということです。
 つまり、このネガティブ思考、マイナス思考そのものは、鬱の発症、再発において、明らかな原因としての役割をしていないと言えます。 どういうことかと言うと、

 うつ状態になってしまったときは、「俺ってダメだ」思考がひどいですが、「俺ってダメだ」思考をしているからといって、それが必ずしも鬱につながるという訳ではない
 
 ということです。

  なので、もともとマイナス思考だとか、ネガティブだとか言うことは、あまり鬱になるかならないかにおいて重要ではないということですね。 あなたの周りでもいませんか? 見るからに陰気で、ネガティブな人だけど、意外と逆境には強い人とか。


 でも、欝状態になっている人では、確実に、ネガティブ思考の割合は増えているわけで、このネガティブ思考に苦しめられていることに間違いはありません。ネガティブな思考それ自体が、鬱の原因ではないとしても、ネガティブ思考と鬱の間には、明らかになんらかの関連がありそうです。
 では、どういった関連があるのか。
 それは、鬱病を経験している患者においては、ネガティブな思考と気分や感情の変化との結びつきが、鬱になっていない一般の方より強いということがわかっているみたいです。さらに再発を繰り返すほど、この感情や気分の変化とネガティブな思考との結びつきが強くなっているとのことでした。

 具体例を挙げてみると、「俺ってだめなやつ」という思考自体は、鬱になったかたも、ならない方も、考える頻度は変わらないわけですね。でも、朝起きて、なんだか身体がだるくて仕事に行きたくないとします。その場合に、鬱になった方だと、「仕事に行きたくないなんて、俺はダメだ」と、だるい、気分がすぐれないといった刺激により、「俺ってダメだ、こんなんじゃ仕事を続けてなんていられない」とネガティブに考える頻度やその強さ、鬱になっていない人と比べると、急に増えてしまうということです。
 つまり、わずかな気分や体調、感情の変化に、ネガティブな思考が大きく影響される、ということですね。

 鬱病になったことがない方でも、直前に経験しているできごとによって、直面した状況の解釈がある程度影響をうけるそうです。
 例えば、差出人のない封書が届いていた時に、その直前に、上司に怒られていやな気分の時だと、「解雇通知か?」とか「嫌がらせの手紙か?」とかネガティブな思考でとらえてしまうところ、直前にくじに当たって喜んでいると、「ラブレターかな?」とか「誰かからのサプライズかな」とか、前向きな解釈になるようです。
 しかし、鬱を経験している方だと、このネガティブな結びつきが特に強くなってしまうということですね。
 些細な変化でも、ネガティブに結びついてしまうという事です。

 なので、ついつい我々は、鬱にならないためには、再発しないためには、ネガティブ思考をポジティブに変える必要、考える内容をポジティブに変える必要があると、考えてしまいがちですが、実は大切なのはそうではなく、ちょっとした気分や調子の変化とネガティブな思考の結びつき、関係性を変えてあげる必要があるということです。

 一見、おなじような事を言っているように思えますが、違います。
 前者では、何かを経験したときの思考の「内容」を変えよう、つまり、もっとポジティブな思考をしようとしているのに対し、後者は、何か経験したときの「アプローチの仕方、対応の仕方」という構造を変化させようとしている、つまり、思考の内容自体は変えなくても、その思考が引き起こす様々な現象に注目使用としている点が異なります。
 
 
 ここにマインドフルネスが鬱を改善し、再発を防げるキーポイントがあると思います。

  もうひとつ研究の例をあげてみると、最近の鬱病治療で注目されている認知行動療法があると思います。
 認知行動療法は、鬱に効果があり、再発予防の点でも薬にまさっているという数々の研究結果がでていますが、従来、認知行動療法では、このネガティブな思考の内容を変化させられるために、効果があると考えられてきました。
 確かに、認知行動療法では、ある状況において、自分の中に生じたネガティブな思考をピックアップして、その思考自体を改めて吟味し、他の考え方はないか、ネガティブに考える根拠は本当にあるかなど、思考の内容に検討を加え、どういった行動がとれるか、選択肢をあげていきます。
 つまり、考え方を変えて、違う行動をとれるように訓練するわけです。
 でも、実際に認知行動療法を続け、再発を予防できている方を分析すると、考えの内容を変えられているということより、自分の思考というものに対して、従来と違った態度をとれるようになっているという点が最も大切であったようです。

 この事実も、マインドフルネスが、なぜ、鬱に効果があり、再発予防、結果として治癒を目指せるかという点をよく表せていると思います。

 マインドフルネスの原則では、「判断中止」「徹底受容」です。
 つまり、思考の内容を、「これがいい、これがわるい」と判断せず、また「こう考えちゃいけない」と否定したりもしないわけです。
 ただ、そこに起こることを観察し、名前をつけて捨てていきます。
 身体が重くて調子が悪い日があって、「あーなんで、今日は身体が重いんだ」と思っても、その後に、「こんな風に考えちゃいけない」とか、「身体が重いって調子がわるくなる前兆では。。。」とか、考え続けること、考えを否定するこはせず、「今日は、身体が思い感覚があるな」「それをいやがる感情があるな」「それに対して、一瞬思考をしたな」と、とらえ、静かに呼吸に意識を向けます。

 それを繰り返して、習慣化していく(ここが大切)ことで、ちょっとした気分の変化や体調の変化、ショックな出来事、ネガティブな思考が、自分の中に起こっても、それを客観的に見つめ、対応していくことができるようになります。
 まさに、その内容を変化させるのではなくて、その対応の仕方、アプローチの仕方が変わっているわけです。
 結果として、ネガティブな思考がぐるぐるまわるのが減っていき、ネガティブ思考の頻度も減っていくわけですが、決して、それを無理に止めようとか、ポジティブになろうとしているわけではありません。
 ただただ、自分の中に生じる出来事に対し、マインドフルネス的対応を身に付け、実践していっているだけです。

 ついつい、マインドフルネスの実践や練習をしていても、ネガティブな思考や反応があると、「こんな考え方じゃだめだ」とか「こんな風にとらえてしまう自分はダメだ」とか考えがちですよね。
 調子が悪いときであれば、なおさらです。
 でも、無理にポジティブになる必要はないんです。
 ただただ、観察し、名前をつけ、捨てる・呼吸に意識を向ける。それを、やっていきましょう。
 続けていくことが大切だと思います。ぜひ、あきらめずにやってみてください。
 
 でも、この続けること、習慣にすることって難しいですよね。
 その習慣にすることについて、次回は書いてみようと思います。

今日の内容は、「マインドフルネス認知療法  北大路書房」という本の前半部分の内容を基に書きました。
 やや専門的な内容の本なので、難しいところが結構あります。
 なので、今回の話しの内容も、すこし難しくなってしまったかもしれません。でも、理論で納得して動くタイプの人もいるので、参考になるといいのですが。
 意味がわからなかった方も、マインドフルネスでは実践が命です。実践し、自らの実感として理解していくことが何より大切です。
 ぜひ、実践をお続けになってください。

 今回の記事でも、何か少しでもヒントになることがあれば、幸いです。 

 

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いつも読ませて頂いております。
現在、マインドフルメイトにてセッション中のもとです。

今回のも、なるほど!と思う内容の投稿でした。
確かに、調子を崩すきっかけは、
ちょっとした思考に過剰反応することによるのがほとんどだと思いました。

No title

ブログの更新毎回楽しみにしています
これからも頑張ってください。

Re: タイトルなし

hiroさん、コメントありがとうございます。
参考になる内容があって、良かったです。やはり、鬱になったことがある人は、ちょっとした体調や気分の変化に敏感なんですよね。また悪くなるんじゃないかという不安が強いのだと思います。
 また私自身が、なるほど!と思った記事や情報を、自分なりに解釈して記事にしていきたいと思っています。気が向いたときにサイトに遊びに来て下さい。今後もよろしくお願い致します。

Re: No title

少年kさん、コメントありがとうございます。温かい御言葉をいただけて嬉しいです。これからもちょこちょこ、自分なりに考えたことを更新していこうと思うので、お時間のあるときに遊びに来て下さい。今後ともよろしくお願い致します。
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訪問ありがとうございます。
 

鬱になって苦しんでいたときにマインドフルネスと出会いました。
自分の経験とマインドフルネスを実践する中での気づきなどを徒然なるままに書いていこうと思います。
私にとって先達者の方々のブログが参考になったように、このブログが同様に苦しんでいる方々に少しでも助けになればと願っています。

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