さてさて、どうもはっきりしない天気が続きますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
このところ抽象的な話の記事が続いてしまいましたが、今日は、もう少し実践的なことかもしれません。
タイトルからはわかりにくいかもしれませんが、僕自身の体験から感じたマインドフルネス実践のコツです。
ここで書かれる「コントロール」という言葉は、「自分の力で変化させよう、思い通りい動かそう」とすることで、それに対し、「マネージメント」という言葉は、「変えようとする、思い通りに動かそうとするのではなく、そちらに合わせて対処する、調整する」といった感じでとらえていただけるといいと思います。
僕自身、うつになる前から、何かにつけて、「コントロールしよう」としていたと思います。それは、自分の感情、つまり不安や怒り、そして体調などに始まり、まわりの状況、相手の反応、などなど、そういったものを努力して、そして自分の意志でどうにか変化させよう、思い通りにしようとしていました。
それが努力することであり、目標にむかって頑張ることだと思ってもいました。
そして、思ったようにならないことを、「自分の意志が弱いから」「努力が足りないから」、さらに、不安に負けそうになり、弱い気持ちを消せない自分を、「自分が弱い人間だから」と思っていました。
そうして、そうならないことばかりの中で、疲労とストレスを積み重ねてうつになってしまい、なってからも、前向きに考えられない自分を責め、思ったように動けない自分を責め、嵐のように変化する体調に対して、「なんで思い通りにならないんだ!」と怒りを感じては、さらに体調が悪化するような日々を過ごしていました。
しかし、SIMTを実践して、マインドフルネスを続けていく中で、そういったことをコントロールしようという気持ちを手放して、それに対して自分自身をマネージメントしていければそれでいいんだという風に考えるようになりました。
というのは、SIMTの課題の実践を通して、生じてくる様々なことをできるだけ評価せず、自分自身を観察、洞察していくうちに、そもそも、自分でコントロールできることなんていうのは、ごくごくわずかなことしかなくて、自分自身の感情や体調でさえも、コントロールできるような代物でないという事に気が付いていったからです。
例えるなら、それは、天候に対応するのに似ています。
天候は、日々、変化していきますよね。
自分がお出かけしたい、ピクニックに行きたいという時でも、かならずしも晴れるわけではありません。
雨が降ったりする日もあります。
そんな時、雨を止めようと努力したりするでしょうか。そんなことは無駄ですよね。エネルギーばかり消費して、ずぶぬれになってひどい目に合うだけです。
雨そのものをどうすることもできません。確かに残念だなという気持ちはぬぐえません。それ自体はなくすことはできません。
でも、小雨だったら、傘をさしたり、カッパを来たりすれば、ある程度、出かけたりすることは可能ですよね。
ちょっとお出かけなら、明日に延期したり、キャンセルしたりできるかもしれません。
もちろん、その結果、晴れの時のようには楽しめないかもしれませんが、晴れの時には経験できない、雨の時の美しい風景を見ることができる可能性もありますし、思わぬ雨の日セールに出会うかもしれません。
たとえキャンセルして家にいることにしても、家で思わぬ面白いテレビを見つけたり、ふと手にとった本から生きるためのヒントを得ることだってあり得ますよね。予定外にとった休養で、身体がリフレッシュし、翌日のお出かけは、より楽しいものになるかもしれません。
雨が降っていることを呪って、それを止めようと必死になっているより、ずっと生産的でストレスの少ない対応が可能です。
僕が自分自身の生活において、いろいろなことを「コントロールしよう」とするのをやめたのは、こういった感じに似ています。
周りの環境や、他人の態度や反応はもちろんのこと、自分自身の感情や気分、そして体調さえも、自分の意志でどうにかできるものではなく、こちらはそれを変えられないものとして対処して、合わせていくしかないんだと思ったからです。
でも、天候と同じで、対処なら可能です。
具体的に言うと、仕事で疲れているときに、「もっと頑張れるはずだ」ではなく、「これくらいの疲れがあるから、今日は、早めに切り上げよう」とか「疲れがあるから、これくらいのペースでしかすすまないのはしょうがない、無理せずやろう」とか、怒りの感情が生じたときも、「こんなところで怒ってはいけない、抑えなくては!」ではなく、「これは自分で抱えきれないほどの怒りになっているから、だれかに話して発散しよう」とか、「少しこの場を離れて、新鮮な空気をすってこよう」とか、そういった対処が可能です。
でも、こういった対処だけでも、天候と同じように、状況や感情、気分も常に変化していくので、時間さえかければ、晴れ間がまた除くように、状況が好転し、感情が落ち着いてくるときがあるのです。
これが、「コントロールしよう」という気持ちを手放して、「マネージメントしていこう」という事です。
言葉でいうのは簡単ですが、これを日々の観察の中で、観察・洞察し、実感として理解していくことが大切です。
自分の中で変えられないことは何なのか、でも、それらに対してどのような対処が可能なのかということを、理解し見つけていくことが大切だと思います。
日々のストレスや葛藤というのは、「自分で思うようにできるはずだ、こうなるはずだ」と思ったことができなかったり、思うようにならなかったりすることから生じていきます。
SIMTの実践開始時は、ついついマインドフルネスをしていれば、自分の体調を自分の意志で改善させることができるとか、マインドフルネスを身に着けることは、自分の感情を思うように制御できると思ってしまいがちです。
でも、僕の経験では、自分の感情や体調などをコントロールできないということを理解して、それに合わせて対処していけるようになることが、マインドフルネスなのかなと思います。
コントロールできないといっても、そこで諦めてしまうのではなく、その状況、例えていうなら、雲の流れや雨の強さなど、天候の変化を注意深く観察していきながら、その状況に合わせ、カッパや傘で出かけられるのか、雨天決行できるのか、それとも少し延期にするか、キャンセルして自宅にいたほうがいいのか、そういったことを常に変化していく状況に応じて判断していけることがマインドフルネスな状態かなと思います。
こう書いている僕自身も、今日のブログは、一度書き終わりそうなところでブラウザが停止し、すべて消えてしまいました。
その瞬間は、がくんと落ち込み、とてもすぐに再開して書く気にはなれなかったので、しばらくPCの前を離れ、ほかのことをしていました。気分も落ち込んだし、「途中で一度でいいから保存しておけばよかった」などの思考がうずまきますが、今起こってしまった状況は今更変えられないし、さらには、ブラウザが停止することを前もって止められるわけでもありません。不可抗力なわけです。
そこは、「自分の力で変化させられたことではなく、今日はそういう日だった」「その時書いたブログは消える運命だった」と手放して、しばらく自分の感情が落ち着くまで、ほかのことをして過ごしました。
その結果、またこうやって書き始めることができました。
こうやって書くと、なんでも不可抗力ということで、努力なんてしなくなってしまう気がしますが、僕の場合、「こうしなければ」とか、「自分はこうするんだ!」という気持ちを手放すことで、逆に力みが抜けて、仕事にしてもこういった趣味にしても、継続的に行っていくことができるようになり、結果的にパフォーマンスは上がっている気がします。
前は、すごく頑張ろうという気持ちがありましたが、それがかえって邪魔して、やる気が出なくなってしまったり、手を付けられなかったり、様々な葛藤を逆に抱えてしまっていたように思います。
もしかしてお気づきの方もいるかもしれませんが、そういった部分で、「コントロールをしようとせず、マネージメントに徹していく」というのは、前々回ブログに書いた「価値や願いを一度手放す」ということにも通じているんですね。
ではでは、そうは言っても、最初に書いた文章の方がうまく書けているのではないかという思考は頭をよぎりますが(笑)
その気持ちも自然なこととして、今日の文章を自分でも味わいたいと思います。
今日も独りよがりな文章になっているかもしれませんが、少しでも参考になることがあったなら、本当にそれは僕の喜びです。
では、今日はこの辺で。また書きたいと思います。
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