FC2ブログ

  訪問ありがとうございます

はじめての方はこちらの記事をご覧ください → はじめに (2014/9/21)
記事一覧や目次をご覧になりたい方はこちらをどうぞ → 記事一覧・目次
自己洞察瞑想療法の講習会なども始めました! → マインドフルネス@つくば

SIMTにおけるうつ病の回復過程 Step③

さて、Step③の説明です。

Step③  その背後にある「本音」や「判断基準・前提条件」が見えてくる段階。

  Step②では、自分の中に生じてくる現象に、名前をつけてひたすら観察することで、その中にパターンがあることがわかってきました。パターンがわかってくると、「このままいくと、落ち込むだろう」とか、「これは、いつものパターンだ」とか、早めに気づくことで、その衝撃を軽めに抑えることができるという効果がありますが、しかし、まだこのパターンを変えるということにまでは、つながらないかもしれません。
  そのために、このStep③の過程が必要になってきます。

  Step②が進んでくると、自分のパターンがより詳細にわかるようになってきます。例えば

  「テレビをニュースを見ていると(視覚)、なぜだか落ち込む(感情)」

  というパターンがあるのに気が付き、
  それを、さらにより深く洞察していくと、

  「テレビでニュースを見ていたら(視覚)、仕事をしている人たちの映像が出て(視覚)、みんなが働いているのに、自分はダメだと考えが浮かび(思考)、気分が落ち込む(感情・気分)」

  という、連鎖が起きていたのに気がついた、ということがあるとします。

  ここで、「ニュースを見る(視覚)」→「落ち込む(感情・気分)」という流れが、
  「働いている人をみる(視覚)」→「自分はダメだ(思考)」→「落ち込む(感情・気分)」

  というふうに、「働いている人を見たとき(視覚)」とより、具体的な事がわかり、さらに「自分はダメだ(思考)」というステップが入っていることが発見されました。
  実は、感情が動いたり、症状が悪化したりという自分の中での変化が起こっている時、多くの場合、この「瞬間的な思考」というのが働いている場合が非常に多いです。これは、日常生活で経験している「考えている」という意味の思考とは、まったく別で、日常ではほとんど意識にのぼる間もないほど一瞬で行われている思考です。それが、瞑想を続け、日常に洞察を持ち込めるようになり、自分の中の現象に対する感度が高まると、この一瞬の思考に気が付けるようになってきます。ここまでは、Step②がより進んだ状態ということができます。

 さて、そこで、よくみると「働いている人をみる(視覚)」と「自分はダメだ(思考)」との間に、隠れているものがあることに気が付いた方はいるでしょうか?

 実は、視覚情報の後、「自分はダメだ(思考)」と価値の判断してしまっているのです。

 自分の中では、その作業は自動的に行われていますが、「自分はダメだ」という価値判断が行われているその裏には、自分の中で作られた価値判断の基準があるのです。

 ここを、つかむことがStep③です。

 この例で言うと、無意識の中に「常に仕事をしていなくてはならない」とか「家でゆっくりしているのダメ人間である」とかの、判断基準が隠れていて、その基準により、「だから自分はダメだ」と判断してしまっています。

 でも、冷静に考えると、休日に家にいる人もいるし、世の中には仕事をしていない人もいるわけで、そして、それがダイレクトに人間性を否定することにはならず、すごく一人よがりの判断であることが多いです。でも、それは、洞察し、気づくまでは、自分の中で自動化されている作業であり、まるでスイッチのように、「働いている人をみる」→「自分はダメ人間だと思う」という作業が行われてしまっているのです。

 僕も、休職し、家で休んでいる間、日中に外に出るのが苦痛でしょうがありませんでした。そして、新聞やテレビを見ると、急に気分が落ち込んだり、ドッと疲れがでたりして、訳もわからずどうしようも無いことがしばらくありました。

 最初は、落ち込んだり、疲労感が急に強くなったりする理由するわからなかったのですが、洞察を続けていくと、どうも、
「日中に出歩いてたら仕事していないことがばれちゃう」とか「こんな自分はダメだ」という思考が瞬間的に入っているのに気がつきました。
 さらには、そこに、「日中に外を歩いている人は仕事をしていない」とか、「すべての人は仕事を全力でがんばっている」とか、勝手な判断基準や前提を作っている事に気がつきました。

 そうやって、日常生活の中の洞察の頻度や感度を高めていくと、数限りなく、大小含め、自分の中にはいろんな「判断基準」や「前提」があることが見えてきました。

 ・いい夫、いい父親であるべきだ。 
 ・いい夫は家事を率先してやって、子供とは一緒に遊ぶものである
 ・毎日、仕事をしていなければならない
 ・常勤の仕事につかなければならない
 ・妻は、家事をこなさなくてはならない、やって当然だ
 などなど。

  すべて、はっきり意識して強く思っていたわけではありません。でも、洞察をしていくと、自分の感情の変化や症状の変化が起こった時には、上記のような基準が一瞬のうちに働き、その判断結果として、「駄目な自分」という思考が働いていることに気が付きました。

 こういった自分の中の「前提」「判断基準」に気がついたからと言って、すぐにその「前提」や「判断基準」を変えられるわけでもないし、また、無理に変えようとしてはいけません。なぜなら、そういった基準をダメだと否定すること自体も、また別の判断基準にとらわれているだけだからです。
 マインドフルネスは、「無評価」そして「徹底受容」という大原則があります。これについては、また別の機会に詳しく書こうと思いますが、洞察でみるかるこういった「前提」や「判断基準」の多くは、自分の成長過程での教育や経験により培われてきたものです。自分が育ってきた過程では、こういった風に考えるのも当然だよなと、そんな自分も認めてあげることが大切です。そして、その結果、自分の事を「ダメな自分」と思う自分がいることも。
  しかし、それを認めてあげる事と、それに縛られたり、振り回されたりすることは違います。そういった判断基準が自分の中に働いていることが分かれば、その判断基準を適用して良い時か悪い時かの選択をできたり、自分に対して、「違う見方もあるよね」と突っ込みを入れてあげることができるようになってきます。
 ここが、微妙なニュアンスなんですが、決して、無理矢理その判断基準を変えるわけではないのですが、その基準を観察し、その存在に気がついただけで、その基準の結果、自分が苦しむのかどうかということもわかるようになってくるので、瞬間的に自動的に「自分はダメだ」とか判断してしまっているときとは別の選択肢を持てるようになってくるのです。今まで、わけもわからず「落ち込む」だけだったのが、理由がわかって「落ち込む」場合とでは、心の自由度が格段に変わっているのです。(伝えるのがむずかし~)
 これは、洞察を実践し、その体験をしたことがある人なら、たぶんすぐにわかることなんですが、体験していないと、上記の説明の違いを理解するのは中々難しいかもしれません。

 しかし、そうして洞察を深めていくと、無意識の領域にあった、数々の自分の束縛「勝手な判断基準」を見つけ出し、徐々に心が自由になっていくことができるのです。

 この過程がStep③です。
 これができるようになってくると、病状が良くなってくるだけでなく、生きることがすごく楽になってきます。あらゆるところで自分を縛っていた掟から、少しずつ自由になっていく事ができるのです。

 おそらく、この段階までくることができれが、マインドフルネスの効果や良さを実感し、たぶん、洞察や瞑想を自然と続けるようになると思います。そして、再発を予防できる段階まで到達できるのではないかと考えます(あくまで現時点では、実感による推測ですが)。

 大田先生の本によるセッションでいうと、セッション6~8くらいのところだと思います。

うつ・不安障害を治すマインドフルネス―ひとりでできる「自己洞察瞑想療法」うつ・不安障害を治すマインドフルネス―ひとりでできる「自己洞察瞑想療法」
(2013/06/04)
大田 健次郎

商品詳細を見る

 本では、「本音」を見つけるという形で出てきますが、自分にとっては、「本音」というのを、自分の中にある「判断基準」や「前提」と言い換えた方が、しっくりきて、洞察を進めやすくなりました。
 「本音」を探そうと思ってしまうと、どうしても「怠けようとしている心があるんじゃないか」「治りたくない本音があるんじゃないか」とか、どうしても「オレってダメ人間思考」に、はまってしまいがちになり、むしろ一時的に調子を崩しやすくなってしまいました。
 佐藤先生にも気を付けるように言われたのですが、「本音」や「前提」の観察といっても、「こんな本音があるんじゃないか」とか、「このうらにはどういう前提があるだろう」とか、見つけようと頑張ったりするものでは決してないんだということです。見つけようと頑張ってしまうと、どんどん、「あーでもない、こーでもない」と思考に嵌ってしまい、調子を崩してしまう人が多いとのことでした。
 「本音」や「前提・判断基準」というものが、うらに働いているらしいぞ、と思いながら、ただひたすらに、洞察、観察を繰り返して行くと、繰り返されたパターンの中で、フッと浮き上がってきた「本音」や「前提・判断基準」に気がつく瞬間があるんです。決して、考えて考えてひねり出すものではありません。
  この点は、Step③において注意が必要です。

  ではでは、いよいよ次回はStep④についてのお話。
               

   
スポンサーサイト



これまでの訪問者数
ブログランキング
ブログランキングに参加しております。応援していただける方は下記バナーをクリックお願い致します!
プロフィール

Ko7

Author:Ko7

訪問ありがとうございます。
 

鬱になって苦しんでいたときにマインドフルネスと出会いました。
自分の経験とマインドフルネスを実践する中での気づきなどを徒然なるままに書いていこうと思います。
私にとって先達者の方々のブログが参考になったように、このブログが同様に苦しんでいる方々に少しでも助けになればと願っています。

カテゴリ
カレンダー
02 | 2015/03 | 04
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
ブログ内の記事から探す
入力した語句が含まれる記事を探せます
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR